2024/12/28 の記事に、 編集者・箕輪厚介「ライターも活字メディアも淘汰され、限られた編集者だけが残る」ファンに愛される条件 が、ありました。

これは、 拙著の記事 「機械学習を超えて生き残るためにエンジニア初心者はどうすればいいのか?」 の出版業界版に相当すると言えます。 学習データが大量にあるなら、どの業界でも、おそかれはやかれ、こうなる運命なのですが、 ソフトウエア産業よりも出版業界のほうが少し早かったということでしょうか? (そんなことはありませんでした -> 記事「セールスフォースいわく「(今年度は)もうエンジニアは採用しません」」)

記事「『ライターも活字メディアも淘汰され、限られた編集者だけが残る』ファンに愛される条件」より

この記事の目次は 「1. 2025年、ライターの仕事はなくなる可能性がある」 「2. AIであればコストも時間も圧倒的に抑えられる」 (以下略)です

箕輪さんは幻冬舎の有名な編集者の方です。 いまは幻冬舎の子会社の取締役。 売れる本をプロデュースする能力には定評がある方でしょう (実際、中の人が、どういう人なのかは、よく知りませんが、 インターネット上にインタビューや対話の動画が山ほど転がっているので各自で検索し、ご評価ください)

「2. AIであればコストも時間も圧倒的に抑えられる」節の次の2ヶ所で、 この記事の要点は十分わかるとおもいます

ライターさんに1本5万円のギャラで、10本で50万でやってもらっていたものを、「ChatGPT Pro」に月3万円課金すればできてしまう

会社としても「もうChatGPTでやろうよ」っていう経済合理性が働いて、それまでの予算も出なくなっちゃう

経営的正義 vs 人を育てる

それでも(記事にあるように)旧態然な会社も多いでしょうから、 2025年になったとたん、すべての会社で仕事(ライターへの発注)がなくなりはしないでしょう。 ただし、 裏側では、 ChatGPT Proで十分いける!という会社と価格競争力で勝てないため、 ライターへの発注単価は下がっていき、 廃業時期を間違えたライターが路頭に迷う近未来図が見えます。 もちろん新人ライターの修行の場なんて存在しません(もう新人は雇いません)

情報誌あたりなら8〜9割方、これでいけるのでしょう。 いや"通り一遍"系の単行本は全部いけそうです (そもそも品質の高い原稿は量産できない(できるわけがない)ので、 最近の出版数 -> 通り一遍の本が多いと推定できます)。

会社経営としては正解です。 そのかわり大ヒットも生まれないのでしょうけれど

そして、 「(a)新人は育てない (b)みんな同じサービスを使って同じような記事を書く」から、 差別化が出来なくなり、出版社なんて一つあれば十分となり、 出版社のともだおれが始まると思います。

ようするに10年、20年、30年先、どうするつもりなのでしょう?という話なのですが、 ちかぢか廃業する気満々ならChatGPTに課金で全然OKなんですけどね

あとがき

最近テクニカルライターの副業をしていない自分ではありますが … 感無量です …

参考文献